これが正真正銘シャーロックホームズだ。

というわけで新作連打でシャーロックホームズも借りてきた。
2泊3日だからどんどん見ないと追いつかない；


ガイリッチーのチンピラ映画路線はもう枯れてきたか？と思ってたら最新作はシャーロックホームズだもん。それだけで笑えるｗ
今回は虚飾ではなくストレートに来たあたりさすがイギリス人にしかできない展開だなｗとおもった。
そんなホームズの日常も見られる「シャーロック・ホームズ」はーじまーるよー＾＾

しかし普段はイギリス人で固めるガイリッチーが主役に据えたのはアメリカ人のロバートダウニーJr.。
あれ？なんで？って疑問は開幕10分足らずで解決した。
あーこれ原作に忠実なほうのホームズかｗと。

日本に出回ってるシャーロックホームズ本は知的でクールでスタイリッシュな英国紳士みたいな書き方してるけど、実はドイル同様ヤク中のボクサー崩れの偏屈者だったらしいんだよねホームズって。
そのへん外さずにロバートダウニー持ってくるあたりさすがガイリッチーシャレかましすぎｗ

変装の達人であることを流れるように示すシーンや並外れた洞察力にニヤニヤできたり、抜けてるホームズとしっかり者のイケメンワトソンっていうコンビの両極端さも王道。
レストレードもシリアス・コミカルにピンチを救ってくれたりモリアーティを謎めいた一段上の扱いにしたりなどなどシャーロキアンをくすぐりながらもおもいっきり次回作へ引っ張るようなエンディングまで一気にもってった。
シリアスとコミカルを小気味よく使い分けてドタバタアクションまでするのがガイリッチー的。


そんな彼が監督でロバートダウニーがホームズでジュードロウがワトソンって言ったらもうスタイリッシュなミステリー的な部分なんかほとんどなくて、これはどう見てもスピード感あふれるテンポのいいアクション映画だと思って見ないほうがおかしいｗ散々やってた予告編見ればわかるだろｗ
エンドロールの演出もオープニングあたりからの流れを引いててよかったね。
安易に既存のホームズネタを持ってこずに、オリジナルの脚本で来たから安心して見れた。だってネタわかってたらつまんないじゃん。

なのでシャーロックホームズを知ってる人も知らない人も楽しめる仕上がりに。
あ、頭固い人はダメだわ。こんなんBokuのホームズじゃない＞＜；とかいうタイプは見ないほうがいい。監督ガイリッチーだぜ？ｗ容赦ねぇよｗ
ロックストック～とかスナッチみたいにブラックに笑わせてくれる部分がもっとあればよかったのになー。万人ウケ狙ったせいなんだろうけどそこだけ不満かな。
そこはたとえばあのタランティーノでさえイングロリアス～で持ち味抑えてたからしょうがないのかもね。


次回作はいよいよ決着をつけてしまうのか、それとも好評だった興行収入で勢い任せに3作あたりまでぽんぽーんと行ってしまうのかわかんないけど楽しみなのはまちがいない。またね。

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脳内ニューヨーク。

ゲオ行ったら映画4枚で1,000えんキャンペーンとかやってて困る。
新作でも2泊3日(340えん)を4枚で1,000えんってよゆーで元取れるじゃんしかし見るヒマねーよｗ

って家帰ってきて冷静に考えてみたら、なにも2泊3日を4枚も借りなくても新作7泊8日(340えん)も混ぜれば見れないことはなかったじゃんしまったな！とおもった。暑さのせいだ；

この「脳内ニューヨーク」はマルコヴィッチの穴やエターナルサンシャインの脚本を手がけたチャーリーカウフマンの初監督作品。
監督・製作・脚本が同一人物だとだいたい低予算のチャレンジングな内容なのが多いけど、主演にフィリップシーモアホフマン据えたら見るしかないｗ
しかもそのへんの無名監督と違ってマルコヴィッチの穴とかぶっとんだ発想の脚本書いてるんだから期待できる。


舞台は現代のNY。
画家の嫁さんと幼い娘を持つフィリップシーモアは劇作家ケイデン・コタードという設定。
ケイデンの仕事は一定以上の評価を受けつつ家庭も円満だったのに、自身が体調を崩し始めたあたりから嫁さんは更年期か？と思わせるような変貌を遂げてついには子供を連れて海外ｗへ移住。
残された彼は肉食系の女に陥落寸前。
しかしそこに莫大な賞金の出る賞を受賞したという報せが入って劇作にのめり込むこととなり・・・。


フィリップシーモアの素晴らしい点は「普通」の人を没個性にさせずに演じられるその技量。
虚像的な強さは決してなく、アメリカ人特有の(過度ではないが)自己中さを備え、ともすると誘惑にも負けがちだけど一瞬の気の迷いだった何やってんだオレっていう苦悩や逡巡といった感情の発露を嫌悪感なく自然に出せるところが相変わらずすごい。腹も出てるしいかにも普通のアメリカ人って感じ。


安定して始まる序盤が急展開する中盤あたりからフルスロットルでエキセントリックにぶっとばしながら最後には出演者全員が役者の役者の役者の・・・っていう合わせ鏡のような複雑な世界を構築して披露していくまさに脚本家の脳内世界の発現がこの映画。
情報量はとても多く、寝起きからメシ食って頭スッキリさせてから見ないとたぶん飲まれるｗ

単純におもしろいかどうかっていったら複雑だからおもしろくないんだけど眠気が来るようなことはなく、劇作と現実が相互にオーバーラップしていく世界を眺めるのは斬新。まさに脳内世界の具現化。
マルコヴィッチのようにシュールな「笑い」だけを安易に取りに行くことはなく、今回は抑え目なのかと思わせといて・・・？
少なくともパッケのようなポップな展開ではないねｗ


終盤のエンディング直前は、もはや思考のこんがらがった先を投影するだけの展開でおもしろくないのにおもしろくなくないし、やっとその意図に気付いたころにはこのしつこさについてこれる人が少なくて売れなかったんだろうなと思ったｗ
破綻はしないんだけどとにかく斜め上にぶっとび続けるおもしろさがある。
展開に合わせてどんどんメイクが変わってくところとかわかりやすくしてるんだけどこれは受けないだろうｗ
少なくともみんなが腹かかえて笑うような「コメディ」ではないね。

でも万人がついてこれないことは織り込んでたっぽいし、その「方向性」を理解し演じ切ったフィリップシーモアはバケモンｗやっぱ好きだわ。
あの劇作家はカウフマン自身の一面なんだろうね。

これは普段脳内で思考がぐるぐるぐるぐる巡っていくタイプには楽しめるはず。
クレア役のミシェル・ウィリアムズもかわいい＾＾
人間誰もが皆自分の人生の主役なんだよ。だけどそれを他人に演出させると・・？またね。

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最近1ヶ月に見た映画10。

陳腐化するというかセンスのなさが爆発するというか、わかりやすくなるだけにつまらなくもなると思ってていままで導入せずにいるのが、「そんなにおすすめおすすめ言うなら点数つけろよ」っていう話。


数値化しちゃったらはっきり白黒ついちゃって、○○は××より点高いからぜったいおもしろいんだな？とか言われても必ずしもそうとは限らないのは当然の話で、これは・・・なんというかラーメン屋どこがいちばんうまいか？並に結論が出るわけない話だとも思うんだわ。

しかし可視化という点ではこれ以上優れたものはないっていうのが点数化。どうしようね。
つーか誰も期待してないんだし損も得もしないから好き勝手やれよって話だわなｗ

先月のはこちら。



＜今月の11本＞

・サマーウォーズ(SF・114分)
関連グッズを売り上げまくるための過剰なキャラ押しもなく、いわゆるジブリ的な安心感で見られる。
あーそういや田舎の本家ってこんな感じだよなーっていう失われつつある感覚やベタな青春路線を交えつつイマドキの電脳空間が並立した世界はこんな感じなんだろうなぁと思わせるね。
仮想空間って言葉は嫌い。モニタの向こうにも人がいるんだし。
名前は知っててもルールは知らないゲームの代表格「花札」が決戦の舞台ってのもおもしろかった。山下達郎を除けばかなりのおすすめ。安心して見られるものは少ないよ。



・ジョー・ブラックをよろしく(ロマンス・181分)
アンソニーホプキンスのケタ違いの演技力の大黒柱っぷりがやばい。
長いセリフ回しの抑揚や一瞬の感情の起伏の発露、表情しぐさ動きどれを取ってもすばらしい。
アンソニーと比べたら同世代しか匹敵する俳優いなくなっちゃうから酷だけど、ブラピのなりきりっぷりもまたイケメンなのに相変わらず高性能ずるいｗいくつになっても期待できるね。
好きなシーンは開幕のぶっとぶとこ。思わず声出たｗ
あとはアレして話が通じなくなったときのなりきりっぷり。ぴーなっつばたー。

しかし残念なのは相手役の女。
ネタバレになるからアレだけど、おまえそれでいいのか？ｗｗｗっていうすいーつ(笑)
もともとアンソニーホプキンスとブラピのハンパない演技力が見たかったから目的は達した(ｷﾘｯ
あーー3hはさすがに長いわ。もうちょい端折れただろってシーンもチラホラあったけど上述の2人でもってる映画。女の子はこれ好きな子多いんだよねー。ブラピ＋ヒロインは自分補正かｗ



・パラノーマル・アクティビティ(ホラー・86分)
手持ちカメラのドキュメンタリー風っていう使い古された手法での低予算映画が記録的な大ヒット！ハリウッドが版権あきらめた！とかいう売り文句だったけどこれはうんこ。つーかよく売れたなｗ
ブレアウィッチのがラストの終わらせ方的にもおもしろい。
別エンディング版！とかいうのが最後の最後しか変わってなくて、・・・なんだっけ別エンディング4つくらい収録したやつ。バタフライエフェクトだったか？アレ以上に蛇足すぎる。



・2012(パニック・158分)
なんつーかいろいろと残念な映画。中国に媚びすぎ。
生き残れるのはひとり10億ユーロ払える金持ちだけ。一般人・黒人はメリケン大統領すら粗末な死に方する。ステップファーザーがアレしたらぞんざいにしてた元のパパわぁい＾＾とかなにしろ人間関係が短絡。
そいつらのせいでそうなってんのに何必死こいて助けて贖罪果たした気になってんの？っていう中身が気になる人はまちがいなく楽しめない。映像見ておおーっておもう映画なんだろうな。
パニックムービーに多くを求めるわけないのにそれでもこれはおもしろくないなーと思った。



・ブラックホーク・ダウン(戦争・145分)
やっつけ仕事がすさまじくクソめんどくさいことになっちゃった戦争版。みたいなお話。
RPG！！→ブラックホークダウンブラックホークダウンの流れは秀逸。
まさか！？どうしてこうなった！的な感情の流れ。

最初はアレしたあとの彼らがとんでもない勢いでグロいことになるんかなと思ったらそういう方向ではなかった。
戦争のどまんなかにいる個人はリアルで小さな小さな存在。仲間を助けたいしいますぐにでも撤退したいけどボロボロで動けない。指揮系統も後手後手すぎてグダグダ。相手は襲ってくるから反撃しないとしんじゃうこれいつ終わるんだ？って緊迫感が克明に描かれてる。
リドリースコットの魅せ方やばいね。戦争行きたくねぇ。



・チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室(学園コメディ・97分)
話はどうでもいい。寝ない程度。
リアル薬中だったロバートダウニーJr.が劇中でそれらの行為について説教をするときの心情を吐露するシーンやブチキレるところに妙なリアリティがよかったｗ



・96時間(アクション・93分)
久しぶりにリュックベッソン来たんじゃねこれ？
ものすごいいいかげんな紹介をすると、フランス版セガールｗ

特殊部隊上がりのおっさんと離婚した妻との娘がフランス旅行に行きたいけどパパいい？→絶対にダメだパリは危険だ！とか理解得られねーよｗっていう溺愛ぶりから始まって、その危険なパリで娘がさらわれるんだけど、そのシーンがすごいいい。
さらわれるのが確定してる娘に、「落ち着け、どんな細かいことでもいいから相手の特徴を観察して教えろ。チャンスは10秒あるかないかだ。集中するんだ！」とか奪還を完全に視野に入れててすごいｗ

そっからはもう愛する娘を救うためなら超絶全力全開でぶっとばす。
うへーそんなことしちゃうの？って拷問も平気でやるし、口を割らせるためならもうなんでもやる。元同僚の○○まで××しちゃう徹底ぶり。
御歳58歳のリーアムニーソンが歳を感じさせない渾身のアクションであっというまの93分だった。
最初の野暮ったいダメ親父っぷりと最後のギャップがすごいｗパパかっこいい！

いやー久しぶりにベッソン噛んだ映画でおもしろかったわ。
監督のピエールモレルはアルティメットシリーズの監督。スピード感溢れるカメラワークも納得。
実際EUらへんのこういった国境をまたぐ犯罪はかなり深刻らしい。



・ターミネーター4(SF・114分)
ダダンダンダダン！ダダンダンダダン！
とか音楽はターミネーターなんだけどやっぱシュワちゃんじゃないとダメだわ。ラストは胸熱ｗ
マシーンが母船から切り離されて出撃していくシーンとか無駄にかっこいいしなｗ
しかしこれ話は解決したのか？やっぱ2までだな。



・お買いもの中毒な私！(ラブコメ・105分)
買い物がストレス解消になるひと必見ｗ
もしくは身近にひとりやふたりはこういうタイプいるだろｗ氷漬けのカードにフイタｗ

メリケン特有の同病相哀れむ的なセミナーあるじゃん。ありとあらゆるジャンルで。
あれに出たときのクレカに対する想いを演説するシーンとか笑えるほど共感できるｗうまいｗ
はいはいご都合ご都合みたいな展開かと思いきやなかなか楽しめた。ヒロインの自己中っぷりがマジビッチなんだけどそれも含めて。
けどちゃんと仕事してるだけなのにあのひとは気の毒だったな。




・インビクタス／負けざる者たち(ドラマ・134分)
なんとか134分に収めたがゆえの語られなさ、特にチームのまとまっていく様子が端折られたのがちょっと残念。ただそっちに走ったら180分クラスの冗長なものになるだろうからこれでいいんだろうけどね。
けどそのせいでキャプテンは浮いてるままなんだよなー。
イーストウッドは今回「黒人大統領」っていう共通項で「赦し」や「寛容」などなど言いたいことあったんだろうね。
最近暗い色調のが多かったから久しぶりに陽の当たる感じもテーマに沿っててよかった。




今月見た中でのおすすめは、
・万人向け・・・サマーウォーズ、インビクタス
・大人向け・・・96時間
・選ぶけど・・・ジョーブラックをよろしく、ブラックホークダウン



・2009年オレ殿堂入り
最高の人生の見つけ方(6月)
デスレース(7月)
ダウト～あるカトリック学校で～(11月)

・2010年オレ殿堂入り
パイレーツ・ロック(4月)
カールじいさんの空飛ぶ家(5月)
※今月は該当なし



これまで採用してる殿堂入りの基準は、思わず二度見したかどうか+α。
あとはあまり知られてないってのも重視するかな。つーかオレが知らなくて掘り出し物だと思ったもの。
007カジノ～(新)と慰め～も当然二度見したんだけどあれほどのビッグタイトルはおもしろくて当たり前だしみんな知ってるしなｗ　だからすげー好きだけど外してる。

というわけで冒頭で迷った点数化は当面のあいだは見送ろう。
いちおー「おすすめ」として別記してるんだしその中でも4つに分類できてるしね。
おなじものを見て似たように感じたらアテにするうちのひとつにしてくれればいいんじゃないかな。



さて来月は今月リリースされたものを・・・の前にお詫びが。
イルカ漁を盗撮したのは「オーシャンズ」じゃなくて「ザ・コーブ」でした。勘違いとはいえよく調べもせずに書いてごめん。

えー今月リリースのもので先月に書いたけど未見のものに加えて、
7/21今日リリースのダウニーJｒ.主演「シャーロック・ホームズ」
8/4リリースの「アリス・イン・ワンダーランド」
8/11には「第9地区」
あとはーすぐには見ないだろうけどそのうち見るであろう「アウトランダー」
予想どおり準新作になったのにまだ借りてない「サブウェイ123」とか「96時間」のとなりに置いてあっておなじく準新作になった・・・なんだっけピアースブロスナンとかジェラルドバトラーが出てるやつ。白いパッケの。微妙にハズレ臭するけど借りてみよう。またね。

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インビクタス/負けざる者たち。

さて今月レンタル開始する中で個人的に大本命なのがこのインビクタス。

監督：クリントイーストウッド
製作総指揮：モーガンフリーマン
主演：モーガンフリーマン、マットデイモン

ってだけでももうすでに元取れそうな雰囲気が漂ってくるそのテーマは「インビクタス」だ。
日本語でおｋ？

時は1995年の南アフリカ共和国。こないだのサッカーワールドカップでおなじみ。

94年のアパルトヘイト解放後の選挙で選ばれた初の大統領はご存知黒人のネルソンマンデラ。
そのマンデラが「自伝を映画化するなら本人役は誰？」との質問に出てきたのがモーガンフリーマン。
卓越しまくった演技力はもちろん、なんとなく似てる？ｗってことでの返答だったそう。

大統領として選ばれたマンデラは、抑圧されてた人々が抑圧する側に回ったときの悲劇の連鎖を断ち切ることを最初の目標とし、白人にはできなかった「赦す」ことで懐の広さを見せ真の解放を目指そうと・・・するんだけどそうは簡単にいかず国はバラバラ。


一方アパルトヘイトの象徴だったラグビーのナショナルチーム「スプリングボクス(愛称：ボカ)」は、強豪ながら経済制裁の一環で国際大会へ出られなかったことでの調整不足がモロに響いてチームは低迷しまくっていた。国内の黒人からは母国のボクスではなく相手チームを全力で応援される始末。
95年のラグビーワールドカップ開催国である南アフリカ共和国は、開催地特権で決勝トーナメント入りこそ自動的に確定しているものの、この調子では優勝どころか初戦突破すら見えない状態。
チームのキャプテンマットデイモンはまとまらないバラバラのチームを抱えて苦悩していた。


まとまらない国内、まとまらないチーム。
27年間の投獄を経てマンデラが至った境地とは・・・。





アパルトヘイトやネルソンマンデラ、実際にあったラグビーワールドカップ95年大会の行方などなど知らないことが多いほうが楽しめるはずなので展開には触れないぜ。
本編は133分だけどダレるシーンも一切なく一気に見れた。
硫黄島系2作、チェンジリング、グラントリノと監督になってもハズレなさすぎるイーストウッドに、ミリオンダラーベイビー以来のタッグを組むモーガンフリーマンが大統領役。
肉体アクション担当はマットデイモンと隙はない。ラガーマン仕様に鍛え上げた肉体は圧巻。
そら本物に比べたら背格好も相まって小さく見えるけどしかしあの鍛え方はハンパないｗ

「スクラムを組む」って言ったら困難なことにチームで当たるって意味を指してると思うのが大半だろうけど、スクラムって相手方との信頼がなければ成立しないんだよね。
やってみればわかるけどラグビーは過酷なスポーツ。スクラムもナメてかかるとよゆーで首折れる。
手と手をお祈りするように組むような感じに一瞬で頭を入れながら肩と肩を全力で組み合わせるから、やろうと思えばやってしまうことなんて簡単。

そしてラグビーは必ず「ノーサイド」で終了する。
だからこそ劇中で語られるように「紳士同士が暴れ者のように戦う」スポーツなんだね。



と、体育の時間にやった程度の知識でフォローしつつｗ
この映画の見所はスポーツとからめて描かれる国・チーム・個々のコミュニティの融和、イーストウッドならではのハラハラさせる演出、そして意外とすごいのが室内撮り。明るさのバランスが抜群。
挿入歌のワールドオブユニオンは聞けばあーこれかってわかる名曲なんだけど、その使い方も憎いｗ　イーストウッド80歳近いセンスじゃねぇ。

長年虐げられていたひとが掲げる博愛はすばらしい説得力がある。
相手を知り、赦しで魂を解放し、そして憐れみと寛容を。
何かっていうとすぐにほじくり返してあることないこと関係なしに謝罪だの賠償だの喚き散らしたりすることや、実体験もないのに理想論ばかり振り回すことの滑稽さも暗に教えてくれる。
そして国をまとめあげるのにスポーツほどナショナリズムを煽るものはないねｗ誇れる国はあるかい？
イーストウッドのじいさんまだまだ簡単にくたばる気はないようだ。


脚色はいくらでもあるだろうけど過剰な演出はなく、抑えたトーンからの盛り上げ方は秀逸。
うわーこの一行余分だったなｗ　あとはもう見て楽しんで。
モーガンフリーマンのアフリカ訛りの英語込みの演技力に酔ってマットデイモンの相変わらずの優等生ぶりに感心してイーストウッドの133分のまとめ上げ方に感服する。
毎年一定以上のクオリティでリリースするとかありえんｗ二人とも撮れるうちに撮れるだけ撮っちゃって！


今年ガチ押しに食い込めるかどうかはこの三者がどれくらい好きかで分かれそうな一本。
"One Team One Country"　またね。

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